編集部レビュー
話を聞いてくれたから、あの子は僕のもの—そんな素朴な因果関係で繋がる恋模様が、このさりげない一編に詰まっている。
女子大生とウェイトレスという現代的な舞台設定に、童貞男性の初めての経験を絡める構成は、オタク的な願望補完と人間らしい感情交流のバランスを丁寧に保っている。しばしば欲情のためだけに切り取られがちなシチュエーションを、ちゃんと「ふたりの物語」として描くことで、読み手の没入感がぐっと高まる。
サークル「どらのやま」の手による作品だけあって、キャラクターの表情や仕草に温度感がある。恥じらい、喜び、信頼といった感情の揺らぎが画面から伝わってくるのだ。単話という限られた尺の中で、関係性の成熟を描ききるテクニックは見事。オナニーシーンから騎乗位へと至る流れも、相手への気持ちを忘れない描き方がされており、爽やかさすら感じさせる。
恋愛と性が自然に繋がる瞬間を味わいたい読者にとって、これ以上ないほどしっくり来る一冊になるだろう。素人くさい甘さと大人っぽい色気が両立した、数少ない佳作だ。
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