編集部レビュー
やさしいだけじゃ、たりなくて
表題だけで物語の全貌が見える。愛し合うふたりが、ときめきだけでは埋められない欲求に向き合う瞬間を描いた一編です。
このジャンル構成なら、ラブラブな関係性のなかに隠された本性や渇望が徐々に露わになっていく、そんな展開を期待させます。付き合う相手への甘えと欲望の狭間でもがく心理描写は、ラブコメ好きなら一度は読みたいはず。
さんじろ作品の強みは、キャラの感情線を丁寧に追う力。やさしさの奥底にある本当の欲望、相手を求める激しさが、セックスシーンを通じて解放されていくカタルシスは格別です。単話だからこそ、限られた分量で欲望と愛情の距離感を見事に収束させる構成力が光ります。
ふたりが繰り返す言葉、交わされる視線のひとつひとつに、関係性の深さが滲み出ている。やさしいだけでは足りない理由が、最後には切実に伝わってくるはずです。
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